格安スマホとiPhoneの位置情報の精度について、ざっくり説明します。位置情報は空に浮いている測位衛星を使って、現在地を割り出しています。
測位衛星は大きく分けて、GPS(A-GPS)、みちびき(QZSS)、GLONASS、BeiDou、Galileoの5種類があります。
ここでは位置情報の仕組みを簡単に説明した後に、測位衛星の種類、そして格安スマホ、iPhone、大手キャリアのAndroidスマホの位置情報の精度について解説します。
最近のスマホはほぼ全ての測位衛星に対応していますが、スマホの性能により掴める衛星の数に違いが出ます。場所によっては、位置情報の精度に差異が出る場合があります。
格安スマホおすすめ機種ランキングと性能比較【2024年12月】
スマホの位置情報の精度の目次
位置情報の仕組みは4機以上の測位衛星を使って現在地を特定
位置情報は測位衛星からデータを受信することで、現在地の計測しています。
4機以上の測位衛星からデータを受信して位置情報を計算して、その結果をもとにGoogle Mapsなどの地図アプリで自分の位置を表示します。
地平線付近の方向にいる衛星だと、途中でビルやら家やら山やらにぶつかってデータが届かないので、頭上付近にいる衛星からデータを受信する必要があります。
このような衛星を使って位置を把握する方法を、GNSS(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)と言います。
測位衛星には主に、GPS(アメリカ衛星群)、GLONASS(ロシア衛星群)、Beidou(北斗、中国衛星群)、QZSS(みちびき、日本の衛星)、Gallileo(ヨーロッパ衛星群)の5種類があります。
昔はBeidou、QZSS、Gallileo非対応の機種も多かったですが、最近の機種ならGPS対応とのみ記載されている場合でも、ほぼ確実に全ての測位衛星に対応しています。
位置情報の精度について
昔の安い格安スマホだと測位衛星をまともに掴めず、位置情報の精度がかなり悪いスマホがありましたが、今販売されているスマホならほとんど問題ありません。
ただ、位置情報の精度(安定性)はスマホの本体価格と強い相関関係があります。
安いスマホは位置情報の精度が普通、高いスマホは位置情報の精度がかなり良いです。経験的に3万円前後が分岐点になっている気がします。
7万円前後になると、位置情報がより高精度になる機能(デュアルバンドGPS)が付いたりします。
測位衛星の種類
①GPS(アメリカ衛星群)が主力
GPSは米国が打ち上げが31個の測位衛星による衛星測位システムです。全てのスマホがGPSに対応しています。
A-GPS対応とは?
格安スマホはA-GPS対応の場合があります。A-GPS(AGPS、Assisted GPS)は、位置情報の計測を速くするための仕組みがメーカー側(GPSチップ)で実装されている端末です。
通常のGPSはA-GPSに対応していなくても、A-GPSと同じような効果が備わっています。ただ、メーカー独自にA-GPSを実装している方が最初の位置情報の計測が速くなります。
この辺の詳しいことは「IIJ:MVNOとGPSについて」を参考にしてみてください。
※ スマホのスペック表にAGPS対応と記載されていなくても、対応しているのが大半な気がします。
②みちびき(QZSS、日本の衛星)に対応すると都市部に強い!
みちびき(QZSS)は日本が打ち上げが4個の測位衛星です。2023年ごろに7個体制になります。
QZSS = Quasi(疑似) Zenith(天頂) Satellite System = 準天頂衛星システム
主に日本の頭上をうろつかせるための測位衛星なので、そんなに数は必要ないので4個でもある程度の効果が期待できます。
みちびきに対応すると、都市部などビルが建ち並びGPSの電波が不安定な場所でも、みちびきの位置衛星が頭上にきやすいので位置情報が安定します。
iPhone6s以上はみちびきに対応しています。
最近の格安スマホもほぼ確実にみちびき(QZSS)に対応しています。スペックに記載されていなくても、実は対応している機種がほとんどです。
③GLONASS(ロシア衛星群)
GLONASSはロシアが打ち上げが27個の測位衛星による衛星測位システムです。
ほぼ全てのスマホがGLONASSに対応しています。
④Beidou(北斗、中国衛星群)、測位衛星が最多
Beidouは中国が打ち上げが49個の測位衛星による衛星測位システムです。
ほとんどのAndroidスマホはずいぶん前からBeidouに対応していましたが、iPhoneはiPhone12からようやくBeidou対応になりました。
⑤Gallileo(ヨーロッパ衛星群)
Gallileoはヨーロッパが打ち上げが24個の測位衛星による衛星測位システムです。
iPhone6s以上はGallileoに対応しています。ほとんどのAndroidスマホもGallileoに対応しています。
格安スマホの位置情報の精度
2万円程度の格安スマホでも、普通の場所ならナビとしても使えます。一般的な使い方なら位置情報で不便をきたすことはないです。
ただ、基本的には価格が高いスマホほど掴める位置衛星の数が増える傾向があります。
Xiaomiスマホの位置情報の精度が良い
なぜか知りませんが、Xiaomiスマホは全般的に測位衛星をすごくたくさん掴み、位置情報の精度が良い傾向があります。
Xiaomiスマホなら安い機種でもやたら位置衛星をたくさん掴んだりします(全ての機種ではないかもですが・・)
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デュアルバンドGPSで精度アップ
本体価格が7万円以上のAndroidスマホだとデュアルバンドGPSに対応している場合があります。
GPSはL1とL5という周波帯域を使って、GPSの電波を地上に届けています。
L1は位置情報の測定が速いけど、ビルに囲まれたりすると、誤差が大きくなる場合があります。
L5は位置情報の測定が遅いけど、誤差が少なくなります。
従来のスマホはL1しか使っていませんでしたが、高価なAndroidスマホだとL1とL5の両方に対応して、GPSの電波が届きにくい場所でも位置情報の精度が良くなります。
例)デュアルバンドGPS対応のMate 20 Proのスペック
GPS (L1 + L5 dual band) / AGPS / Glonass / Beidou / QZSS (L1 + L5 dual band) / Galileo (E1 + E5a dual band)
※ デュアルバンドGPSに対応できる測位衛星:GPS、QZSS(みちびき)、Galileo
iPhoneの位置情報の精度
iPhoneが対応している測位衛星
- iPhone 3G以上:A-GPS
- iPhone 5以上:A-GPS、GLONASS
- iPhone 6s以上:A-GPS、GLONASS、Gallileo、QZSS
- iPhone 12以上:A-GPS、GLONASS、Gallileo、QZSS、Beidou
- iPhone 14 Proと14 Pro MAX:デュアルバンドGPSに対応
iPhoneは位置情報の精度で悪い評判はほとんど聞かないですが、位置情報の精度のスペックは同価格帯のAndroidスマホよりも劣っている感じです。。
最新のiPhone 14 Proと14 Pro MAXでようやくデュアルバンドGPSに対応しました。
※ ハイエンドAndroidスマホなら4年前にデュアルバンドGPSに対応してる機種がありました。。
大手キャリアのAndroidスマホを格安SIMで使うと位置情報の精度が悪くなる?
大手キャリアのAndroidスマホ(白ロム)を格安SIMで使うと位置情報の精度が悪くなると言われています。
※ 白ロム:ドコモ、au、ソフトバンクのAndroidスマホ
これはA-GPSが利用できないため位置情報の計測時間がかかるのが原因です。
例えば、ドコモの白ロムはA-GPSを使うのにドコモ専用のサーバーにアクセスするのですが、格安SIMを使っていると、このサーバーから弾き飛ばされ利用できません。
A-GPSなしで端末だけで位置情報を計算するため時間がかかり、位置情報の精度が悪くなります。
大手キャリアのiPhoneは大丈夫
白ロムでもドコモなどのiPhoneの場合は、iPhone独自のA-GPSを使うのでiPhoneなら白ロムでも位置情報の精度には問題ないです。
白ロムの位置情報の精度の改善策
白ロムのA-GPS問題を避けるには、A-GPSのデータを独自に取得してくれるアプリを使う必要があります。
「Google Play: GPS Status & Toolbox」というアプリに、A-GPSのダウンロードがあるので、それをやれば位置情報の取得が早くなります。(ただし、全ての端末で対応しているかは不明です)
白ロムを格安SIMで使う場合、位置情報の精度が悪くなる問題が今でもあるのか不明
白ロムを格安SIMで使うと位置情報の精度が悪くなるという話は、2014年〜2018年ごろに話です。
最近はめっきりこの話を聞かないので、もしかしたら問題は解決しているかもです。2020年初頭にIIJmioの中の人に聞いてみましたが、調べていないそうです・・。
その他の格安スマホ関連の情報
格安スマホのおすすめ機種ランキングでは、主に端末の選び方(スマホの性能や評価)を中心に説明しています。
- OPPO Reno11 A
- 見た目が良くて、電池持ちも良い。実売44,000円、6.7インチ、Dimensity 7050、RAM8GB、ROM128GB、カメラ6400万画素(F値1.7)+超広角800万画素(F値2.2)+マクロ200万画素、重さ177g、電池容量5000mAh、防水、おサイフケータイ
- Google Pixel8a
- 超高性能。カメラ性能も良い。72,700円、6.1インチ、Google Tensor G3、RAM8GB、ROM128GB、カメラ6400万画素(F値1.89)+超広角1300万画素(F値2.2)、重さ188g、電池容量4492mAh、防水、おサイフケータイ
- AQUOS sense9
- 普通のスマホの順当進化。実売58,000円、6.1インチ、Snapdragon 7s Gen2、RAM6GB、ROM128GB、カメラ5030万画素(F値1.9)+超広角5030万画素(F値2.2)、重さ166g、電池容量5000mAh、防水、おサイフケータイ、耐衝撃
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コメントと実体験を書き込む(口コミ17件)
楽天miniの端末を楽天回線は使わず自宅のwifiのみで使っていたのですが、楽天モバイルを解約したところ、それまで不安定だったGPSの精度が急に安定し、不思議に思ってました。こちらの記事はとても勉強になりました。ありがとうございました。
緊急通報位置通知もやはり携帯のGPS精度がそのまま反映されるんでしょうか…?
今は職場至急のガラケーと格安シムのAndroid。
緊急時ちゃんと伝わるのだろうか。。
最近治安の悪い地域に住んでいるのですが危ないっすかね。。
緊急通報の位置通知で問題になったという話は聞いたことないです。
見知らぬ土地で、周りに(まともな)人もいない場所で、治安が悪い場所とかだと、少し心配かも・・?
そうなのですね、わざわざありがとうございます。
119や110は独自のGPSなんですかね…?
でも受信機がダメダメなのに正しい位置が伝わるのだろうか。。
通報時ってテンパるし人命がかかっていると早くて正解であるにこしたことはないですよね。ありがとうございます。
Ahamoに切り替えたときにA-GPSがどうなるかが心配です。
問い合わせはしているけど回答が来るかな。
白ロムのA-GPSに関しては、追っている人がほとんどいない感じです。。ただ、ドコモのスマホをahamoで使う場合は特に問題ないと思います。
docomoの白ロムはpixelとか一部機種を除いてA-GPSのデータをdocomoのサーバーからしかダウンロード出来ない仕様になってたと思う、そのせいでSPモードの無いsimではdocomo製のAndroidに関してはほぼA-GPSは使えない、アプリでデータだけをダウンロードしてもdocomo端末はGPSに反映してくれないので測位は遅くなる。
AhamoはSPモードサービスが使えない所を見るとちょっと怪しい。
iPhoneだと関係ないはずですが、AndroidスマホだとSPモード無しだと弾くという話を3,4年前くらいに聞いた気が・・。
最近は全く話題に出てこないので、どうなっているのかさっぱりですね・・。ahamoでドコモのAndroidスマホを使う人柱待ちですが、話題にならなそうな。
管理人さん
今回のAhamo対応のスマホ一覧に3~4年前のGPSロックがかかったスマホが入っているんですよね。ほんと、iPhoneにしておけばよかった。
再度、ドコモにドコモナビでのGPSコールドスタート時の位置精度を問い合わせたけど「当社ではわかりません」って回答でした。
のんびりと情報を待ちます。
枝豆さん
そうなんです。この件に関しては公式情報が一切ないので確認しようがないんですよね。
Docomoからの回答は「他社製アプリについては、アプリ発行元に問い合わせてください」とのことで、GPSが捕まえられないのはアプリのせいだそうです。Docomo回線で契約したXperiaシリーズを5台くらいOCNモバイルOneにて運用しましたけど、同じ機種でもSPモード契約で回避出来たり出来なかったりGPS Statusもいつも効くわけではなくGPSが安定しない(DocomoのSIMなら問題なし)なのでAhamoについては人柱を確認してから導入となりそうです。流石にナビ関係が使えなかったら大問題になりそうなので何らかの対応はしてると思いたいです。
楽天handがやけに障害物に強いと思ったら720がL1+L5だったんですね
Rakuten Handは位置衛星をやけにたくさん掴んでますね!
AQUOS sense4も720Gですが、Rakuten Handと比べると少し掴む数が不安定です。
最近GPSのページを見かけないと思っていたところですが、更新されたんですね。
格安に移行したとき白ロムのXperiaZ3compactを購入したんですがそれまで使っていたソフトバンクiPhone5に比べてGPSが弱いと感じ、A-GPSの事を知りました。Xperiaは2か月で落下破損したため急遽購入したzenfone2laserのGPSは本当にひどかったです。アルミホイル張ったりもしましたが、目立った効果はなかったです。次のP9litepremium以降は不満を感じることはなくなりました。このサイトみていると、この頃あたりからの機種はGPSの問題はほぼなくなったようですね。
GPS性能は、一般的なユーザーにとっては動画やカメラ、バッテリーよりも重要で、ここだダメだと不満に感じやすい項目だと思います。もっともこの記事にあるように、最近はほぼ気にしないでもOKな感じになってますけどね。
GPSがクソすぎるで悪名高きZenFone 2 Laserー。私もアルミホイル試しましたが、効果なしでした!
今でも1万円前後の中華スマホだとどうなるかわかりませんが、それ以外なら普通の使い方らなGPSはほとんど大丈夫ですね。
高いビルに囲まれているとか、橋の下とかの悪条件でもGPSの精度を確保したい場合は、GSPの精度がさらに良くなる高価なスマホが良いなと思いました。
管理人様
最近購入した愛車にはナビが装備されていません。その代わりクレイドルが付いてますのでスマホのGoogleMapをナビとして活用してます。手持ちiphone7の機能は申し分ないんですが、毎回の付け外しが面倒なので、ナビ専用としてもう1台購入を考えてます。条件は下記の通りです。
機種の価格は¥20,000円未満
月々の通信料は¥500円位
iTunesで取り込んだ音楽をBGMとして聴きながらMap活用。
画面サイズは4〜5インチでなるべく小さい方が良い。
色はブラック
位置情報の精度とコンパス機能があればそれ以外は何も要りません。カメラも通話もゲームも。。。
お薦めの機種、SIMカードを教えて頂けないでしょうか。
PS.超小型スマホPALMの情報何かありませんか。
Androidスマホだと、そもそも4〜5インチがほとんどないのに加えて、2万円未満だとGPSの精度が若干微妙なやつが出てくる可能性が少し高いです。
条件内だと中古のドコモのiPhone SEか6sが候補になると思います。それ以外は思いつきません。。ブラックがほとんどないですが。。
SIMカードは、ナビだけならDMMモバイルのデータSIMの1GBプランで十分だと思います。(SMSなしでも大丈夫だと思うのですが、確証がちょっとありません。。)
中古のiPhoneはネットだとこの辺(ノジマ)から見繕うのが良いのかなと思います。
https://bit.ly/2XhcgxG
.超小型スマホPALMは、存在だけ知っているくらいで、詳しいことは知りません。。
車内に放置して車内が炎天下で高熱になった場合、スマホがどうなるのかちょっと怖い気がします。。
管理人様
返信有難うございます。
5インチ以下の条件が選択肢を狭めてしまいました。すいません
Androidが良いので評価の高いZenFone3か4に絞りSIMをDMMにしようかと思います。有難うございました。