弁護士なしでも簡易裁判所で少額訴訟や通常訴訟はできるの?
はい、弁護士なしでもできます!実際に素人の私が簡易裁判所に訴えを提起してきましたが、自分で調べれば何とかなるレベルです。
ここでは民事裁判の流れをわかりやすく、実際に本人訴訟をやってみた経験をもとに解説します!裁判費用は7000円くらいです。
簡易裁判所には少額訴訟と通常訴訟があります。違いは、60万円以下なら主に少額訴訟、60万円を超える場合や金銭以外の請求は通常訴訟です。
簡易裁判をするのは簡単ではありますが、正直面倒です。。なので、消費生活センターや無料の弁護士、国民生活センターのADR、裁判所の調停なども検討すると良いかもです。
今回は実際に弁護士なしで簡易裁判の通常訴訟を起こしました。今のところ一番面倒だったのは、訴状の書き方とブログでの公開です。
裁判内容を不用意に公開すると、名誉毀損が飛んでくる可能性が少しあるみたいなので、念のため企業名はS社(仮名)とします。
争点は「販売業者の一方的な注文キャンセルは、消費者契約法に反して違法ではないのか?」です。この主張に対して裁判所の判断を仰ぐものとします。
目次
※ 注意事項:ネットで注文したカメラ、テレビ、洗濯機、エアコン、iPhoneなどのApple製品など、販売業者が価格ミスと規約を理由に一方的にキャンセルすることがそこそこあります!よくある事例なので相手は特定できないのです。
素人でもできる?
簡易裁判は素人でも大丈夫です。
私は裁判知識ゼロで、今までの人生で裁判に関わることもなかったのですが、とある企業の対応を問うために、実際に簡易裁判で訴えを提起してきました。
実際にやって思いましたが、そこそこ調べればどうにかなるのが簡易裁判っぽいです。
※ 他人任せだと相当難しいです。弁護士に全部任せると赤字になる可能性大なので
弁護士が必要?
簡易裁判は弁護士なしでも大丈夫です。簡易裁判で弁護士をつけるケースは25%くらい、少額訴訟だと15%程度です。
簡易裁判は、相手に要求する金銭自体がそこまで高くないので、弁護士費用で赤字になるケースも・・。基本的にかかった弁護士費用は相手に請求できないです。
費用は?
簡易裁判を起こすのに必要な費用は最低7000円からです。(平均で1万円くらいだと思う)
- 商業登記簿謄本:600円 (双方ともに個人の場合は不要)
- 郵便切手:通常訴訟5830円、少額訴訟5200円
- 収入印紙:1000円
郵便切手は切手の組み合わせがある。東京簡易裁判所での額、その他の簡裁だと額が変わるかも。収入印紙は訴額が10万円までの場合。訴額が20万円は収入印紙が2,000円、30万円は3,000円など。
郵便切手の内訳(東京簡易裁判所)
手数料額早見表(収入印紙)(PDF)
少額訴訟と通常訴訟の違いは?
簡易裁判には、少額訴訟と通常訴訟がありますが、数は通常訴訟が圧倒的に多いです。
細かい違いがあるけど、大雑把に言うと相手に請求する金額が60万円以下の場合は少額訴訟を選べる。少額訴訟のほうが簡単っぽい。(60万円以下でも通常訴訟を選べる)
60万円を超える場合や、物品の引き渡し要求など金銭ではない場合は通常訴訟になる。
集団訴訟ってできる?
簡易裁判でも費用は最低7000円くらいかかります。裁判を起こす準備や実際の裁判、その後の対応など、最低3日間は時間を費やすと思います。
数万円の損失で裁判するのは正直割に合わないです・。(個人的な損失補填以外にも、公共の利益に資する結果になれば、数万円の被害者でも頑張るかも?)
被害者が多数いる場合は、消費者団体訴訟を行うのも手かもですが、ほとんど受理されないっぽいです。
弁護士に依頼する集団訴訟もありますが、一人当たり数万円程度の被害額だと最低50人ぐらい集めないとペイしないと思うので、あまり現実的な方法ではない気がする・・。
簡易裁判までの流れ
ステップ1:当事者同士で問題解決を図る
誰も好き好んで裁判なんかしたくないので、相手と話し合って問題解決を図ります。
ただし、話すだけ無駄な相手もいるので、話が進みそうもないと思ったら粛々と次のステップです。
ステップ2:消費生活センターに相談する
とりあえず消費者生活センターに問い合わせます。
消費者生活センター
・局番なしの188番
・受付時間:平日の午前9時から午後7時
消費生活センターは相談に乗るくらいで、直接的な問題解決をしてくれるのは、かなり稀だと思われます。
ただし、同じような事案が増えれば、消費者庁が優先的に動くきっかけになります。千里の道も一歩からで、人任せにせずに消費生活センターに相談です!
ステップ3:無料の弁護士に相談して勝ち目がありそうか確認する
プロが見ると勝ち目が少ない可能性もあるので、無料の弁護士に相談してみます。
弁護士会:0570-200-050
受付時間 10:00~16:00(月~金。ただし祝祭日を除く)
上記の番号は東京都内からのみ繋がるそうです。弁護士会への電話は繋がりづらいです。他の道府県の無料相談の弁護士は、消費生活センターに聞いてみると良いかもです。
※ 一般的な法律事務所の無料相談電話にもかけたのですが、相談できる弁護士を紹介するまでが無料、実際の弁護士への相談は有料とかいう、詐欺みたいな相談窓口でした・・。
ステップ4:国民生活センターのADR(裁判外紛争解決手続き)を検討する
国民生活センターを仲介者として、消費者と事業者で和解案を模索することもできるみたいです。
ただし、消費者トラブルなら何でも仲介できる訳ではなさそうです。ADRの人は、例えば業者から請求された損害賠償を減額してもらいたいとかの場合に、仲介できるみたいなことを言っていました。
決定に強制力がなく、和解にも応じない場合もあるそうなので、使い所が難しそうです。
ステップ5:裁判所の調停を検討する
国民生活センターのADRと同じような方法で、裁判所の調停というのがあります。
違いは裁判所のほうが権威性があるとADRの人が言っていました。
調停だと和解案が非公開となる可能性が高そうなので、結果を非公開としても良い場合は、裁判所の調停を検討するのが良いのかもです。
ステップ6:簡易裁判所の訴訟を検討する
面倒ではありますが、簡易裁判で訴えることは簡単です。
費用は最低7000円くらいはかかって、ズブの素人がいまいちわからない訴状を書く必要がありますが、相手が応じそうもない場合は一番手っ取り早い解決方法だと思います。
ただし、簡単ではあるけど面倒ではあります。最終的に裁判するかどうかは、個人の判断に委ねます。
今回の訴訟内容
東京簡易裁判所に行く途中にあった日比谷公園。人生初の日比谷公園なのです。これで少しでも裁判コストの(気持ちの)足しにするのです・・。
※ 名誉毀損などに引っかかる可能性が極わずかあるので、相手企業の情報はぼかします。
事案:販売業者が一方的に注文をキャンセルした
とあるオンラインショップで商品Aが期間限定で普段の半額で売られていた。
※ 商品A:カメラ、テレビ、洗濯機、エアコン、iPhoneなど、自分の好きな商品を当てはめてください。
私はクレジットカードで商品Aを購入して領収書を受け取った。その後、販売業者S社が価格ミスを理由に強制キャンセルした。
販売業者S社は規約Aを理由に、販売業者の一方的なキャンセルは問題ないと主張した。なお、本注文において消費者側は一方的なキャンセルはできない。
争点① 消費者契約法に反していないか?
規約Aには、販売業者S社側は一方的にキャンセルできるという記載がある。この規約Aは、消費者契約法10条の『消費者の利益を一方的に害する条項の無効』に該当しないか?
消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。
※ 下記はあくまで私の理解と主張です。何か意見や間違いがある場合は、指摘してくれると助かります。
> 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項
この改正部分は関係ないので無視です。
> その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限
法令中の公の秩序に関しない規定、すなわち任意規定。本件の任意規定は、民法では売買契約後は自己都合の一方的なキャンセルは双方できないとされる。それゆえ規約Aは、任意規定と比べて、消費者の権利を制限する条項であると言える。
> 民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの
民法第1条第2項は「権利の行使及び義務の履行は信義に従い誠実に行わなければならない」とする民法の信義則です。簡単に言うと、お互い不誠実なことをしないようにという決まりです。
本件は売買契約後に、事業者が自己都合で一方的にキャンセルしたことから、民法第1条第2項の信義則に反して、消費者の利益を一方的に害した。
以上を持って、規約Aは消費者契約法10条により無効、売買契約は成立しているので、商品Aの引き渡しを主張する。
※ この主張に対して裁判所の判断を仰ぐものとする
※ 法律の素人なので、消費者契約法10条を誤読している場合は指摘してくれると嬉しいです
争点② 価格ミスで、錯誤を理由にキャンセルできる?
販売業者S社は規約Aを全面的にして、強制キャンセルを行いましたが、元々の理由は価格ミスです。
販売業者の価格ミスは、錯誤による取り消しが争点になる可能性があります。(販売業者との問い合わせでは、錯誤をほとんど主張してこなかった)
民法の錯誤取り消し
第95条 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。 一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤 二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤 2 前項第2号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。 3 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第1項の規定による意思表示の取消しをすることができない。 一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき 二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき 4 第1項の規定による意思表示の取り消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
法務省の事例(PDF)では、「売買代金として¥10000000(1000万円)と記載すべきところ¥1000000(100万円)と記載した契約書を作成してしまった」。こういうケースを錯誤の事例としています。
今回は、例えば普段20万円で販売しているものを、期間限定セールで10万円で販売していました。販売事業者は価格の設定ミスを理由に取り消しを主張します。別商品ですが、過去の限定セールでは20万円のものを12万円で販売したことがあります。
単純な価格設定ミスなので、重大な過失に該当します。そして消費者側は、桁違いに安くなっているわけではないので、錯誤であることを知りえないし、過去にも似たようなセールをしている。ゆえに、錯誤による取り消しは認められないと主張します。
※ 重大な過失:僅かの注意をすれば容易に有害な結果を予見し、回避することができたのに、漫然と看過したというような、ほとんど故意に近い著しい注意欠如の状態
物品の引き渡し要求なので通常訴訟にする
最初は簡単そうな少額訴訟にしようと思ったのですが、物品の引き渡し要求の場合は、金銭ではないので少額訴訟は使えないとのことです。
と言うことで、簡易裁判の通常訴訟にすることにしました。
キャンセル後に同じ商品を買い直して、その差額を請求する場合なら少額訴訟が使えると思われます。(私の場合は買い直していないので・・)
訴状の書き方って、こんなんで良いの??
③ 請求の趣旨及び原因 東京簡易裁判所の通常訴訟で使用する書式例
訴状の①と②は簡易裁判所の相談員の人に聞きながら書くだけです。問題は③の請求の趣旨及び原因です。
商品の引き渡し請求みたいな雛形がありません・・。ずぶの素人が自分で作り上げる必要があります。マジか・・。
請求の趣旨及び原因のサンプル
ぶっちゃけ何を書けば強い訴状になるのかわからんです。。
とりあえず主張したいことを全部ずらずら書いて、相談員さんがなんか指摘して、何とかしてくれるくれるだろうと思いながら訴状を書いてみました。
※ 念のため、名誉毀損の可能性を避けるために具体的な内容は省略しています。
原告:私(個人)
被告:販売業社S社
(動産の引き渡し) 請求の趣旨 1 被告は原告に対して、次の商品を引き渡し、金銭等を支払え。 (1) 商品A (2) 商品代金のポイント還元に相当する○○,○○○ポイント、または同等の金銭もしくは割引 2 訴訟費用は被告の負担とする。 との判決及び仮執行宣言を求める 請求の原因 1 原告は被告と○年○月○日、以下の内容で契約を締結した (1) 契約内容 [商品の売買] 具体的な取引内容 原告は○年○月○日にショッピングサイトで商品A 税込○○○,○○○円を被告から購入した。商品代金の○○%が還元される特典が付いていた。 ○月○日に原告は領収書を受領した。 ○月○日に被告は○○○○○○○○を理由に注文を一方的にキャンセルした。 「どこまで公開しても大丈夫なのか謎なので具体的な内容は省略します。消費者契約法を根拠に一方的なキャンセルは認められない理由、価格ミスによる錯誤による取り消しも認められない理由、ついでに領収書を受領したので売買契約は成立している旨などを長々と記載しました。」 よって、原告は被告に対して、速やかに商品Aの引き渡しを求める。併せて○○,○○○ポイント還元の付与を求める。ポイント還元が難しい場合は、ポイント還元に相当する金銭相当額の支払い、もしくは同等額の割引を求める。
簡裁の相談員さん、請求の趣旨及び原因はほとんどスルーしていった。。私はマジでこれで良いんですか?状態でした。(今思ったけど、“仮執行宣言を求める”ってなんだ・・?)
ブログで訴状や裁判資料の公開は慎重に
ブログで訴状や裁判資料を不用意に公開すると、プライバシー権の侵害、著作権の侵害、名誉毀損にひっかかる可能性があります。(素人の私が調べた限りですが・・)
今回の場合は、相手が法人なのでプライバシー権の侵害は大丈夫そう、相手の裁判資料を無断でアップしなければ著作権の侵害も大丈夫、厄介なのが名誉毀損です。
名誉毀損:「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」
相手が悪くても名誉毀損が成立する可能性があることです。社会的地位を低下させるに足る内容であれば、名誉毀損に該当します。
ただし、本件は既に結構認知されているため、企業名を出してもこれ以上の社会的地位の低下(具体的には売上低下)はないと考えます。加えて、消費者保護の公益を図る目的もあるので、名誉毀損には該当しないと思われます。
ただ、企業名を出すメリットもあまりないので、念のため相手企業はS社と偽名にしておきます。(あくまで、一方的キャンセルという行為自体の適法性を問います)
名誉毀損の例
最近では立花孝志氏を朝鮮スパイ呼ばわりした結果、名誉毀損で訴えられて、被告が罰金7万円の判決を受けていました。こんなのが名誉毀損の実例なので、早々やってこないだろうとは思います。
簡易裁判の流れの詳細(実際に本人訴訟やってみた)
①用意するもの
簡易裁判をするのに必要なもの
- 訴状:自分の分も含めて同じものを3部
- 証拠:自分の分も含めて同じものを3部 (白黒でも可)
- 登記簿謄本:1部
- 自分の印鑑 (認印)
※ 証拠は、物品の不具合などの写真を添付する場合は、カラーが良いと思います。主に文章の記述なら白黒でも特に問題ないです。
証拠は通常訴訟の場合は、訴状提出時に必須ではないみたいですが、すでに用意してしまっているので、一緒に提出しておきました。
証拠は、証拠になりそうな領収書、メールのやり取り、ホームページのスクリーンショット等です。白黒でも特に問題なし。提出時に判明したのですが、甲1、甲2などの番号を書き込む必要があったみたい。。受付時間が終わる間際だったので、そのまま提出してしまいました。皆さんは甲1、甲2など、裁判時にどの証拠書類のことを言っているのかかわかるように提出しましょう・・。
登記簿謄本は、相手が法人の場合に必要になります。今回は被告は法人なので登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を法務局で発行してきました。
訴状などに印鑑を押す必要があるので、印鑑も用意しておきます。
あとは郵便切手と収入印紙も必要になるので、1万円くらいは持っておきます。(簡易裁判所の建物内で買えます)
②訴状を提出
用意し終わったら、簡易裁判所に行って書類を確認してもらった後に、訴状などを提出します。
受付は平日午後4時45分までです。書き方などの相談がある場合は、午後3時ごろまでに来ると良いそうです。原則、被告の住所地を管轄する簡易裁判所に提出です。
東京簡易裁判所へレッツゴー
と言うことで、50分かけて有楽町の東京簡易裁判所に行ってきました!
平日の午前3時ごろ、ここかしらと思って門番をしているような警備員さんに聞いたら検察庁だった。。簡易裁判所は2つ隣だってさ。警備員さん、なんか私を見てすごく警戒してたよ・・。
簡易裁判所に到着!
とりあえず建物の写真を撮ったら、警備員が飛んできた!「敷地内は撮影禁止です!」なんだってさ。道からなら撮っていいか聞いたら、道からなら大丈夫だそうです。
と言うことで、道から撮ったら別の警備員が飛んできた!「その道も敷地内だからダメ!」もう1メートル後ろが敷地外の道なんだって。
ズームすれば、1メートル後ろでも前でも何も変わらないけど、そういう決まりなので・・。
東京簡易裁判所の中
館内撮影禁止、荷物チェックがあって、金属探知機みたいなのを潜るやつとか受けました。
簡裁民事手続案内所で書類をチェックしてもらう
訴状の書き方よくわからん・・。とりあえず書いて、あとは形式やら誤字脱字やら何やらの最低限のことを、相談員に丸投げしちゃえ!
そう思っていた時期が私にはありました・・・。
想像以上に、訴状の内容の確認はしてもらえなかった。誤字脱字も見ていないレベルだった。。請求の趣旨と原因が書かれていれば、その内容は見ないっぽい。。
※ 「請求の趣旨と原因」以外の箇所は見てくれます。
失敗したと思うこと
請求の趣旨と原因は、相談員さんはほとんど見ないことを事前に知っておくべきだった。知っていれば、もう少し自分で精査した後に訴状を持っていった・・。
証拠は1部で十分だろうと思っていたら(自分の分はパソコンに保存)、提出する証拠も2部ずつ必要だった。しかも元がカラーコピーだったので、コンビニのカラーコピーは高いからケチって白黒で2部ずつする羽目になった。これに結構時間がかかる。
午後3時20分に簡易裁判所に到着したので余裕だと思っていたら、いろいろしてたら訴状の提出が受付終了直前の午後4時40分になってしまった・・。もう少し早めに行くべきだった。
何はともあれ訴えの提起完了
受付票をもらって、訴えの提起完了です!
③裁判日を指定する電話がくる
簡易裁判所に訴えを提起して日から1週間後に、裁判所から裁判の日にちを決める電話が来ました。
午後が良いと言ったのですが、東京簡易裁判所は平日の午前中限定らしいです。最短は6週間後とのことなので、裁判日は6週間後にしてもらいました。
・訴状を提出
・裁判日を指定する電話がくる(提出日から1週間後)
・裁判日(提出日から7週間後)
④期日呼出状と口頭弁論期日請書が届く
裁判日を指定する電話から1週間ほどすると、期日呼出状と口頭弁論期日請書が簡易裁判所から届きました。
この呼出状で裁判日が確定です。
口頭弁論期日の用紙が一緒に届くので、指定箇所を記入して印鑑を押して郵送しました。FAXでも良いですが、FAXの使い方わからんのです。
⑤答弁書が届く
裁判日の2日前に被告から答弁書が届きました。原告は被告の主張は認めないとのことです。
答弁書には事業者側がキャンセルした理由を、かなり詳細に記載されていました。(カスタマーサポートがまともに回答しなかったことが回答されたた)
⑥1回目の裁判は被告現れず・・
答弁書の主張を認めない理由をずらずら書いて、第一回目の裁判に臨んだところ・・、被告が現れませんでした・・。
1回目の裁判は2回目の裁判日を決めて終わりです。5分で終わります。いや、ほんと何のために1回目があるんだ??ってくらいの内容でした。
答弁書の内容を認めるか認めないかについて、原告が準備書面を次回の裁判の1週間前までに裁判所と被告に郵送するようにということで終わりました。。。
※ 簡易裁判は午前中に行われます。裁判官にいつが良いかと聞かれたので、(午前中は寝ている可能性が高いから)14時以降が良いと回答したら、空気が読めない子状態になりました。
⑦準備書面を送る
被告の答弁書に対して、異議があるかどうかの準備書面を書いて、2回目の裁判日の1週間前程度に裁判所と被告に届くように準備書面を郵送します。
普通郵便で発送しました。(裁判官の人が普通郵便で良いと言っていた)
⑧2回目の裁判は5分で終わる・・
2回目の裁判は、1回目の裁判から40日後くらいにありました。
今回は被告(代理の弁護士)が出てきました。詳しくは省略しますが、今回も5分くらいで終わりました。3回目の裁判は1ヶ月後くらいです。
なんだろう・・、逆転裁判というゲームみたいに「裁判長!異議あり!」みたいなことをしたいのですが、すごく淡々と進みます。(なお、逆転裁判したことない)
⑨相手から準備書面が届く
2回目の時の裁判官が被告の答弁書を時系列に直して、原告と裁判所に提出するように指示していて、3回目の5日前くらいに被告から直した準備書面が届きました。
内容は答弁書と似たり寄ったりですが、書き方を変えていたり、微妙に新しい文言が追加されていたりしました。
「⑦準備書面を送る」で用意した私の1回目の準備書面と内容が結構重複してしまいますが、被告の準備書面に沿った反論を書面で作っておきました。
※ 被告の準備書面が原告に届いたという知らせを、被告と裁判官にFAXで知らせるようにと追加書類があったのを見逃す・・(気づいたのが3回目の裁判前日)
⑩3回目の裁判も5分で終わる・・
3回目の裁判は、2回目の裁判から35日後くらいにありました。
被告の準備書面が原告に届いたという知らせを、FAXで被告と裁判官に送信するのを見逃してしまいましたが、裁判官が裁判開始に書面が被告に届いたか聞くだけで問題なかったです。
というか、今どきFAXで通知なんてあったんですね・・。(FAX使ったことない・・)
3回目の裁判内容は、中身ないです。。
裁判官が原告は被告の準備書面に対して、反論はあるのか聞いてきましたが、私は反論はありますが、私が以前提出した準備書面と反論が大体似たり寄ったりになると答えたら、そこで裁判は実質終了となりました・・。
ほぼ同じだけど、今から思うと相手の準備書面に対しても、事細かに反論したかった。。
簡易裁判の持ち時間は平均3分・・
簡易裁判は、裁判官+原告(私)+被告(代理弁護士)で行いましたが、でかい丸テーブルに着席して、ほんの少し裁判官と話すだけでした。原告と被告同士で話す機会はなかったです。
ほぼほぼ準備書面や答弁書の書類で終わります。
その場で反論したりするような時間はほとんどないです。反論するにしても、30秒くらいで手短に要点を絞って行う必要があります。
簡易裁判は、30分単位で区切られているのですが、その30分の中に10組くらいの裁判が行われます。つまり1組あたり3分くらいしか持ち時間がないのです。。
※ 簡易裁判のほとんどは、消費者金融が借主に対して借金返せという裁判です。借金の分割払いを事前に取り決めて、実際の裁判ではその確認をするだけなので2〜3分で終わります
⑪2023年1月に結審
今回の裁判は2023年1月に結審予定です。
簡易裁判所に訴えの提起をしてから、約6ヶ月で結審です。結審は裁判所に来る必要も特にいないそうです。
正直言って、暖簾に腕押しみたいな裁判でした・・。「裁判長!異議あり!」とか、勝訴/敗訴の書きぞめを掲げて、裁判所の周りを走り回りたかった。
簡易裁判は、事前に用意した書類で99%決まる。。実際の裁判で陳述したり、その場で異議申し立てみたいなことしたり、テレビの裁判っぽいことが何もなかった。。
もっと思い出に残るような裁判を期待していたのに、糠に釘というか、味のないガムを噛んでいる、そんな裁判経験でした。
例え私が負けようとも、第二第三の訴訟が待ち受けているのだー。(事業者の一方的なキャンセルが合法かどうか、似たような裁判が地方裁判所で行われるよ!)
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コメントと実体験を書き込む(口コミ10件)
以前、相続に際して、金融機関に、私の分単独の法定相続分の払い戻しを求める本人訴訟をやろうと思って(調べたら、まず勝訴するケースということもあり)、図書館で借りた参考資料類を参考に訴状を作成し、裁判直前まで進めたことがありました。私も裁判所の相談所で訴状のチェックをしてもらいました。結果的には訴状提出の前に解決してしまったので、一度裁判を経験してみたかった(しかもほとんど勝てるケース)ので、かえって残念だった記憶があります。
管理人さんのケース、金額の桁を2つ3つ間違えたようなケースならいざしらず、通常価格の半額くらいの割引では、相手方の「錯誤」の主張は法的に通らず、消費者契約法の趣旨から言って勝てるのではないかと思います。法律は素人ですが。
ちょっと横道にそれますが、最近の世の中は法的に争うことも増えてきたので、自分を守るために、弁護士費用の保険に、その後に入りました。といっても高額だと無理なので、ネットで月額300円の保険を探し出し、契約しました。著名なネット企業が募集しているもので、日本の大手損害保険会社が引き受けています。
年間3600円が高いか安いかはその人の価値観によると思いますが、私は、何かあったとき、普通に弁護士に依頼するのは(勝てるとしても)かかる費用が高額になるため断念することになるよりは、いい思っています。参考までに。
応援しています。
誤解されてますが、民事訴訟法上、「簡易裁判」というものはありません。事実上「簡易裁判所の裁判」いう表現ならありかと思いますが…。簡裁だと地裁より手続が簡略化されている部分があるだけです。また、少額訴訟だから簡単というわけではありません。これも一般の方が誤解されていますが、通常訴訟も少額訴訟もやることは同じです。裁判所は野球やサッカーの審判と同じく中立なのでアドバイスはしませんから、請求の趣旨原因は原告の責任で書く必要があります。書き方は自分で勉強するか弁護士等の専門家に聞く必要があります(そのための弁護士、司法書士です)。請求原因は本来「要件事実」という原告被告が法律上主張すべき事実を書く必要があり(要件事実マニュアル等の市販本参照)、これが足りない時は負けとなります(主張責任)。仮執行宣言は、確定前でも強制執行できるようにするためのものです。本来判決は送達後2週間経って確定しないと強制執行できません。
いくつかの簡易裁判の記載を簡易裁判所に変更しました! (全部直すのは文章が長くなるので・・)
ちなみに私が訴状を書くときに参考にしたのが下記です。
東京簡易裁判所の通常訴訟で使用する書式例
https://www.courts.go.jp/tokyo-s/saiban/l3/Vcms3_00000321.html
一番近そうな売買代金・商品提供型売掛を参考にしました。。
https://www.courts.go.jp/tokyo-s/vc-files/tokyo-s/file/0-6-1baibai_rei.pdf
とはいえ、素人意見ですが、上記みたいな文章にするとやたら簡素すぎて説得力に欠ける気がしたので、言いたいことを消費者保護法を交えて、長々と主張してみました。
請求の原因に主張を書いて良いのだろうかと思いつつ、とりあえず書いちゃって指摘されたら直そうと思っていたのでした。。
錯誤によるキャンセルも認められない理由も書いておいたのですが、民法第95条3項により認められないとか、条文は記載していなかったです。。
今からだともう少し丁寧に書けばよかったと思いつつ、私以外にも似たような事案で訴訟を起こし始めているっぽいので、私が失敗しても他の人が頑張ってくれるはず。。(全員失敗したら、世の中そういうものなんだということで・・
管理人様
簡易裁判所における裁判(以下単に「簡易裁判」と略す。)とでもすれば良いのではないでしょうか?
陰ながら応援します。
争点の項に記載されている消費者解約方10条が私の読解力では理解できないので、これについてはコメントできません。
規約Aに、販売業者S社側は一方的にキャンセルできるという記載があるなら、その一項をもって、キャンセルは有効と判断されるのではないでしょうか?
民法で売買契約後は自己都合の一方的なキャンセルは双方できないは一般論で、契約自由の原則からして、規則Aが無効と主張するのは無理があるのではないでしょうか?
契約自由の原則はあるのですが、一方的に消費者の利益を害する項目だと、消費者契約法でその項目は無効になる可能性があります。
事業者側だけ一方的にキャンセルできる項目は、一方的に消費者の利益を害する項目で無効になるのでは?と言った感じです。
※ 消費者の利益:注文した商品を受け取る権利
事業者の一方的キャンセルが、一方的に消費者の利益を害すると言うに値するかが、争点になりそうです。
似たような判例が見つからないので、どういった判決になるのか予想しにくいですが、個人的には黒よりのグレーな項目な気がします。
管理人様
この裁判を、陰ながら応援いたします。
ところで、楽天モバイルが、契約で1GB以下なら永久に月額0円だとしていたのに、勝手に有料にしてしまった件は、裁判で救済される可能性はないでしょうか。
そもそも契約は守らなければならない、というのが近代法の大前提です。楽天のような大企業が、そんなことも知らないのか、とあきれております。
永久になんて言ってたかなあ?
永久0円という上手い話は世の中ありえないのでは?
楽天はあくまで営利企業でありボランティア活動をしているわけではない。
管理人さん、いつも参考にさせて頂いてます。
橘玲さんの「臆病者のための裁判入門」を思い出します。どんな結末になるにしろ、読み物として楽しみにしています。
何なら「ボッチのための裁判入門」なんて本を書いて作家デビューしては?
作家って肩書きあればボッチも卒業できるかも?
「バカでもできる簡易裁判!」から「簡易裁判で弁護士なし!」にタイトル変更。。バカでもできるかな?よりも、弁護士なしでもできるかな?のニーズの方が高いはず。。
ボッチの作家もいるはずなので、肩書きからボッチは卒業できないはず・・
事業者が一方的にキャンセルした時の適法性について、判例が作れればと思います!(他にも多数の人が似たような事案で訴訟起こし始めているっぽいので、私がいなくても作られると思いますが・・)