格安スマホとiPhoneのSoC性能とAntutuスコアをとめています。
SoCはスマホの脳みそ的な存在です。SoCの中にCPUとGPU等が入っていて、スマホの性能を大きく左右します。SoCが高性能なほどスマホがサクサク動きます。
SoCにはApple、Snapdragon、ファーウェイのKirin、MediaTek、GalaxyのExynosがあります。
SoCの性能について説明した後に、スマホの総合的な性能を表すAntutuスコアを掲載しています。格安スマホ、iPhone、iPadの性能を知りたい場合に参考にしてみてください。
目次
てっとり早くスマホの性能を把握したい人向けの早見表
2021年版:超ざっくりしたCPUの性能表(SoCの性能) | |
---|---|
超高性能 | Snapdragon:SDM845、SDM855、SDM865 Kirin:Kirin990 iPhone:XR、XS、XS Max、SE 第2世代、11、11Pro、11Pro Max、12、12mini、12Pro、12Pro Max |
高性能 | Snapdragon:SDM730、SDM730G、SDM690 5G、SDM720G、SDM765G、SDM835 Kirin:Kirin970、Kirin980 iPhone:8、X |
比較的高性能 | Snapdragon:SDM662、SDM665、SDM660、SD820、SDM670、SDM675、SDM710 Kirin:Kirin950、Kirin955、Kirin960、Kirin810 iPhone:7 |
普通性能 | Snapdragon:SD630、SDM632、SD650、SDM636 Kirin:Kirin710 Galaxy:Exynos7904、Exynos7885 iPhone:6s、SE 第1世代 |
低性能 | Snapdragon:SDM450、SD625、SDM439 Kirin:Kirin650、Kirin655、Kirin658、Kirin659 Galaxy:Exynos7884B iPhone:5s、6 |
最底辺 | Snapdragon:SD400、SD410、SD430、SD435 |
※ 右に行くほど高性能
スマホをあまり使わない場合は低性能のCPUでも十分に使えます。
スマホを普通程度に使う場合は普通性能のCPUでも普通に使えます。一般的なゲームなら普通性能でも遊べます。
スマホを人よりも少し多く使う場合は比較的高性能以上を選びます。スマホがよりサクサク動くようになります。重い3Dゲームが好きな場合は高性能以上を選びます。
スマホをたくさん使う場合で常にヌルヌルサクサク使いたい場合、またはゲーム性能を最重視する場合は超高性能を選びます。
SoCって何? CPUとGPUなどをまとめた脳みそ的存在
SoCはSystem-on-a-Chipの略称です。ソックと呼びます。
SoCは大きな集積回路です。その集積回路の中に、CPU、GPU、WiFi、チップセットなどが詰まっています。SoCの中のCPUとGPUの性能がスマホの性能を主に左右します。
CPUやGPUの性能が良いほどスマホがサクサク動いたり、ゲームが快適に動きます。一般的には高性能なCPUが入っているSoCには、同じように高性能なGPUが入っています。
超高性能なCPUとGPUが入っているSoC、高性能なSoC、普通程度のSoCなど、いろいろなSoCが用意されています。
高性能なSoCほど価格が高く、そのSoCを積んだスマホの価格も高くなります。
超高性能 = ハイエンド
高性能 = ミドルレンジ(ミドルロー、ミドルハイ)
普通性能 = ローエンド
同じSoCを積んでいる場合、スマホの性能も似たり寄ったりです。
代表的なベンチマークテスト:Antutuスコアについて
Antutuスコアは総合的な性能スコア
スマホの性能はベンチマークアプリで計測できます。
Antutu、3DMark、Geekbench4/5、PCMarkなどのベンチテストがありますが、Antutuがいちばん有名です。
Antutuを使うとスマホやタブレットの総合的な性能を計測できます。
- Google Play:Antutu Benchmark (Googleが削除)
- iTunes:Antutu Benchmark
Antutuスコアの内訳
・CPU:全般的な処理性能
・GPU:グラフィック性能(ゲーム性能)
・MEM:RAMとROMの読み書き性能
・UX:操作性能
Antutuはv6、v7、v8のバージョンがありますが、最新版はv8です。バージョンによってスコアが大幅に変わります。今からだとv8を基準に考えてください。
- スマホをあまり使わない場合:Antutuスコア70,000以上
- スマホを普通程度に使う場合:100,000以上
- スマホを少し多く使う場合:150,000以上
- スマホをたくさん使う場合:200,000以上
- スマホをたくさん使って、何でもサクサク使いたい場合:300,000以上
ゲームをそこそこする場合は、GPUスコアは最低でも20,000以上ほしいですが、暇つぶし程度ならGPUスコアが10,000程度でも遊べます。
ゲーム性能をある程度重視する場合はGPUスコアは30,000以上ほしいです。50,000以上あると大抵の重いゲームも快適に遊べます。100,000以上だとほぼ無敵です。
知っておこう!Antutuスコアをあげるベンチマークブーストについて
スマホの中にはAntutuスコアを計測するときに、発熱を度外視して性能を無制限に開放して、スコアを上げる機種があります。
Antutuのようなベンチマークを計測するアプリを使うときだけ、処理能力を上げる行為をベンチマークブーストと呼びます。
Antutuストレステストで、CPUが常に100%でフル稼働している端末はかなり怪しいです。
2018年頃にOPPOとファーウェイのスマホでベンチマークブーストの疑惑が発生して、ベンチマークテストの公式ランキングから削除されていたりします。
今ではベンチマークブーストをしているスマホは少ないと思いますが、ベンチマークは絶対視がしないほうが良いです。
ベンチマークブーストをしても、スコアがせいぜい1割程度アップする程度なので、1割程度の差は誤差だと思ったほうが良いです。
GoogleのPlayストアからAntutuアプリが削除された
2020年3月にGoogleがPlayストアからAntutuアプリを削除しました。正確な情報はわかりませんが、個人情報云々で削除されたのでは?という噂があります。
AndroidスマホでAntutuを計測したい場合は、Antutuアプリを公式サイトから直接インストールする必要があります。
iPhoneとiPad用のSoC:Apple Aシリーズ
Apple Aシリーズの特徴
iPhoneやiPadの中に入っているSoCはアップルが設計しています。Apple A**という型番が付けられています。
日本でのiPhoneのシェアは50%ぐらいあるので、スマホゲームなどはiPhoneに最適化されています。iPhoneのGPUのスコアはかなり高いので、スマホゲームを快適にプレイすることができます。
古いAndroidスマホだと新しいスマホゲームが快適にプレイできませんが、iPhoneならかなり古いiPhoneでも結構快適に遊べます。iPadも同様です。
iPhoneのAntutuスコアはかなり高いです。ただし、高負荷時は発熱しやすいです。発熱しだすとパフォーマンスが低下します。
iPhoneはWeb閲覧や動画視聴など負荷が低い使い方なら電池持ちはそこそこ良い程度ですが、負荷が高いゲームでは電池持ちは悪くなります。
発熱状態で使うと電池の劣化が早まるので注意が必要です。iPhoneは瞬発力は抜群で持久力は低めな感じです。
Apple AシリーズのAntutuスコアのまとめ
SoC | Antutuスコア | 搭載端末 | |
---|---|---|---|
総合スコア | GPUスコア | ||
A14 Bionic | — | — | iPad Air 第4世代 |
A12Z Bionic | 740,000 | 360,000 | iPad Pro 12.9インチ 第4世代、iPad Pro 11 第2世代 |
A12X Bionic | 680,000 | 330,000 | iPad Pro 12.9インチ 第3世代、iPad Pro 11 第1世代 |
A13 Bionic | 500,000 | 210,000 | iPhone 11、iPhone 11 Pro Max、iPhone SE 第2世代 |
A12 Bionic | 450,000 | 190,000 | iPhone XR、iPhone XS、iPhone XS Max、iPad Air 第3世代、iPad Mini 第5世代、iPad 第8世代 |
A10X Fusion | 360,000 | 140,000 | iPad Pro 12.9インチ 第2世代、iPad Pro 10.5 |
A11 Bionic RAM3GB | 280,000 | 90,000 | iPhone 8 Plus、iPhone X |
A11 Bionic RAM2GB | 260,000 | 50,000 | iPhone 8 |
A10 Fusion RAM3GB | 230,000 | 70,000 | iPhone 7 Plus、iPad 第7世代 |
A10 Fusion RAM2GB | 210,000 | 45,000 | iPhone 7、iPad 第6世代 |
A9X | 210,000 | 50,000 | iPad Pro 12.9インチ 第1世代、iPad Pro 9.7 |
A9 | 180,000 | 36,000 | iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone SE 第1世代、iPad 第5世代 |
A8X | 150,000 | 27,000 | iPad Air 第2世代 |
過半数のAndroidスマホのSoC:Snapdragon
Snapdragonの特徴
アメリカのQualcomm(クアルコム)がSnapdragonを作っています。Snapdragon、スナップドラゴン、スナドラ、SDMなどと呼んだりします。
Androidスマホの大半はSnapdragonを搭載していて、Snapdragonは低性能〜超高性能と幅広いラインアップを提供しています。
Snapdragonは多くのスマホに搭載されているので、スマホのアプリも比較的安定して動作します。
上位モデルのSnapdragonならGPUの性能はiPhoneの上位モデルに引けを取らないので、重い3Dゲームも快適に遊ぶことができます。
SnapdragonのAntutuスコアのまとめ
SoC | Antutuスコア | 搭載端末 | |
---|---|---|---|
総合スコア | GPU | ||
SDM865 (Plus) | 600,000 | 230,000 | Xperia 1 II、ROG Phone3 |
SDM855 (Plus) | 480,000 | 180,000 | ZenFone 6、AQUSO Zero2、ROG Phone2、Xperia 1、Xperia 5、Galaxy S10、AQUOS R3 |
SDM845 | 350,000 | 140,000 | AQUOS R2 compact、AQUSO Zero、ROG Phone、Xperia XZ3、XZ2、Galaxy S9、Pixel 3、AQUOS R2 |
SDM765G | 320,000 | 90,000 | |
SDM720G | 280,000 | 70,000 | Redmi Note 9S |
SDM730G | 270,000 | 70,000 | Pixel 4a、Xiaomi Mi Note 10 Lite、Mi Note 10 Pro |
SDM730 | 260,000 | 65,000 | |
SDM712 | 230,000 | 62,000 | |
SDM835 | 220,000 | 66,000 | Xperia XZ1、XZ Premium、Galaxy S8、HTC U11、ARUOS R |
SDM675 | 210,000 | 34,000 | |
SDM710 | 200,000 | 54,000 | OPPO Reno A |
SDM820 | 180,000 | 50,000 | Xperia XZ、X Performance、Galaxy S7 edge |
SDM670 | 180,000 | 40,000 | |
SDM660 | 180,000 | 36,000 | AQUOS R compact、ZenFone 4、ZenFone Max Pro M2、OPPO R17 Neo |
SDM665 | 170,000 | 32,000 | OPPO Reno3 A、moto g8シリーズ、Xperia 10 II |
SDM636 | 140,000 | 22,000 | ZenFone 5、ZenFone Max Pro M1、AQUOS sense3 plus |
SDM650 | 110,000 | 20,000 | |
SDM810 | 110,000 | 20,000 | Xperia Z4、Xperia Z5 |
SDM632 | 110,000 | 17,000 | ZenFone Max M2、moto g7 |
SDM630 | 110,000 | 17,000 | AQUOS sense3、Xperia 8、Xperia Ace、AQUOS sense plus |
SDM808 | 100,000 | 20,000 | |
SDM625 | 90,000 | 10,000 | ZenFone 3、nova |
SDM439 | 90,000 | 9,000 | Rakuten Mini |
SDM450 | 80,000 | 9,000 | AQUOS sense2、arrows M05、OPPO R15 Neo |
SDM430 | 70,000 | 8,000 | AQUOS sense、ZenFone 3 Laser、ZenFone 4 Max、ZenFone Max M1、ZenFone Live L1 |
面倒なのでSDM=SDです。
ファーウェイ用のSoC:Kirin
Kirinの特徴
ファーウェイの子会社、HiSiliconがKirin(キリン)を作っています。ファーウェイのスマホやタブレットのほとんどにKirinが搭載されています。
2017年前半まではファーウェイスマホの日本のシェアはそこまで多くなかったため、一部のスマホゲームで性能が発揮できず快適にプレイできない場合がありました。
日本でのファーウェイスマホのシェアが増えたことにより、2017年後半からはゲームメーカーがKirinに対応することで、ほとんど全てのゲームで相応の性能を発揮できるようになりました。
Kirinは少し高性能〜超高性能までをカバーしています。
KirinはGPUの性能が少し低めなので、総合的には同じ性能でもSnapdragonやiPhoneのSoCと比べると、GPUの性能が1段落ちます。
一般的なゲームだと特に差はありませんが、FPSや音ゲーなど反応速度がシビアなゲームをよくする場合は、SnapdragonやiPhoneのSoCが無難です。結構特殊なケースなので、そんなには気にしなくても大丈夫です。
KirinのAntutuスコアのまとめ
SoC | Antutuスコア | 搭載端末 | |
---|---|---|---|
総合スコア | GPUスコア | ||
Kirin990 | 480,000 | 170,000 | Mate 30 Pro、P40 Pro 5G |
Kirin980 | 400,000 | 130,000 | Mate 20 Pro、P30 Pro、P30、nova 5T |
Kirin820 | 370,000 | 110,000 | P40 lite 5G |
Kirin810 | 300,000 | 85,000 | |
Kirin970 | 250,000 | 80,000 | Mate 10 Pro、P20、nova 3 |
Kirin960 | 200,000 | 55,000 | Mate 9、P10、P10 Plus、honor 9 |
Kirin710 (710F) | 165,000 | 25,000 | P40 Lite E、P30 lite、nova lite 3、Mate 20 lite |
Kirin659 | 110,000 | 10,000 | P20 lite、nova lite 2、nova2 |
Kirin658 | 110,000 | 10,000 | P10 lite |
安いAndroidスマホ用のSoC:MediaTek
MediaTekの特徴
MediaTekは台湾の半導体メーカーです。安売り用の中華スマホに搭載されるのが多いです。SoC名はMT〜となっていたり、Helloが付いていれば、MediaTekのSoCです。
日本ではFREETELが安売り用のスマホとして販売していましたが、MediaTekのスマホで不具合が多く出たので安かろう悪かろうで、FREETELが破綻すると一緒に全滅状態になりました。電池持ちが悪いのが特徴です。
2019年後半頃から安い格安スマホとしてワイモバイルやUQモバイル、大手キャリアの一部スマホでMediaTek搭載のスマホが徐々に息を吹き返している感じです。
HelioはGPUスコアよりも実際のゲーム性能は悪い気がします。ゲーム性能は良くないです。
MediaTekのAntutuスコアのまとめ
SoC | Antutuスコア | 搭載端末 | |
---|---|---|---|
総合スコア | GPUスコア | ||
Helio P65 | 170,000 | 33,000 | Galaxy A41 |
Helio P22 | 90,000 | 10,000 | moto e6s |
Helio A22 | 80,000 | 8,000 | BASIO 4、かんたんスマホ2 |
※ HelioのAntutuスコアがイマイチわからないので、かなり大雑把です。
一部のGalaxyスマホ用のSoC:Exynos
Exynosの特徴
Exynosはサムスンが作っているSoCです。一部のGalaxyスマホに搭載しています。
ExynosのAntutuスコアのまとめ
SoC | Antutuスコア | 搭載端末 | |
---|---|---|---|
総合スコア | GPUスコア | ||
Exynos 7885 | 140,000 | 25,000 | Galaxy A7 |
Exynos 7885 | 125,000 | 20,000 | Galaxy A30 |
Exynos 7884B | 110,000 | 15,000 | Galaxy A20 |
格安スマホ関連の情報
格安スマホのおすすめ機種ランキングでは、主に端末の選び方(スマホの性能や評価)を中心に説明しています。
- AQUOS sense4
- 防水とおサイフケータイ対応で電池持ちが超良く高性能です。36,000円、5.8インチ、CPU SDM720G、RAM4GB、ROM64GB、カメラ1200万画素(F値2.0)+超広角1200万画素(F値2.2)+望遠800万画素(F値2.4)、重さ176g、電池容量4570mAh
- Redmi 9T
- コスパ最高の格安スマホです。17,490円、6.53インチ、CPU SDM662、RAM4GB、ROM64GB、カメラ4800万画素(F値1.19)+超広角800万画素(F値2.2)+マクロ200万画素+深度200万画素、重さ198g、電池容量6000mAh
- OPPO Reno3 A
- コスパの良い比較的高性能な防水・おサイフケータイ対応スマホです。電池持ちもかなり良く、カメラ性能も良いです。29,000円、6.44インチ、CPU SDM665、RAM6GB、ROM128GB、カメラ4800万画素(F値1.7)+超広角800万画素(F値2.2)+ポートレート200万画素+200万画素、重さ175g、電池容量4025mAh
- iPhone SE 第2世代
- 49,280円で買える超高性能なiPhoneです。コンパクトで防水・おサイフケータイに対応。4.7インチ、CPU A13 Bionic、RAM3GB、ROM64GB(128GB版は54,780円)、カメラ1200万画素(F値1.8)、重さ148g
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以前、真面目な中国人に「中国人はすぐ人を騙す。特に日本人は騙されるから気をつけろ」
…と、云われた事があったけど、企業になると国際規模だなぁ、