格安SIMの管理人が行なっている、格安SIMのリアルタイム計測の仕方と評価基準を解説します。
格安SIMの通信速度を詳しく知りたい場合に、読み続けてみてください。
格安SIMの通信速度は簡単には説明できませんが、このサイトの通信速度の計測方法を説明しながら解説します。
長い文章を読むのは避けたい場合は、いつでも何でも速度が超速いUQモバイル、ワイモバイル、LINEMO、ahamo、povoがおすすめです。平日の昼でも快適にスマホが使えます。
格安SIM36枚の速度ランキング、速いか遅いか実測で徹底解説
目次
格安SIMのリアルタイム計測のシステム概要
まず最初に格安SIMのリアルタイム計測のシステムを簡単に説明します。
格安SIMの速度計測に適したAndroidアプリを作って、リアルタイムで計測を行なっています。計測場所は東京の一般的な住宅街です。
計測機種はAQUOS R2が多いです。
自作の計測アプリで、通信速度(HTTPS速度)、反応速度と安定性、YouTubeの通信速度、Webサイトの読み込み速度、SNSの読み込み速度などを24時間計測しています。
HTTPSで計測した速度データをWebサーバー(Rails)に送って、データを処理したのちリアルタイム計測サイトに結果を表示しています。
アプリのダウンロード速度は自動的には計測できないので、手動で月2回(15時と20時の合計2回)計測しています。
格安SIMは利用用途ごとに実際の速度が異なる場合が多い
格安SIMの速度の違いと速度ランキング
同じ格安SIMを使っている場合でも、1人は遅いといい、もう1人は十分使えると評価する場合があります。
1つの大きな理由として、半数以上の格安SIMは利用用途ごとに実際に出る通信速度を制限しています。
格安SIMによって、スピードテストは速い通信速度が出るけど、Webサイトの読み込み速度は普通、YouTubeを普通画質で再生される速度に制限したり、アプリのダウンロード速度を遅くしている格安SIMが存在します。
そのため格安SIMのリアルタイム計測では下記の9項目の速度を計測して、格安SIMの速度を総合的に評価しています。
- 通信速度(HTTPS速度)
- 反応速度と安定性
- YouTubeの通信速度
- Yahooの読み込み速度
- 楽天市場の読み込み速度
- 画像の読み込み速度
- インスタグラムの読み込み速度 ※停止中
- Twitterの読み込み速度
- アプリのダウンロード速度
リアルタイム計測の9項目の速度結果をもとに、3〜4ヶ月に1度程度、格安SIMの速度ランキングを更新しています。
2023年1月版の格安SIMの速度ランキング
速い | |
普通 |
|
遅い | |
下記からリアルタイム計測の測定項目について解説します。
通信速度(HTTPS速度) ※最重要
通信速度の中で最も重要なのが「通信速度(HTTPS速度)」です。
HTTPS速度は速いほど良いですが、1.5Mbps以上出ていれば格安SIMとしては許容範囲です。
HTTPS(SSL経由)でファイルを2つ同時にダウンロードした時の通信速度を格安SIMの通信速度としています。
通信速度(HTTPS速度)の評価
速い (10Mbps以上)
普通 (1.5Mbps〜10Mbps)
少し遅い (0.6Mbps〜1.5Mbps)
遅い (0.6Mbps未満)
5Mbps以上なら基本的に何をしても快適に使えます。大半の格安SIMは平日12時と18時〜19時以外なら5Mbps以上出ます。
一般的な使い方なら1.5Mbps以上出ていれば普通に使えます。1.0Mbps〜1.5Mbpsだと遅さを感じる場合もありますが、許容範囲です。
0.6Mbps〜1Mbpsだと少し我慢して使うことになり、0.6Mbpsを下回ると我慢して使うことになります。
速度計測はドコモスピードテストがおすすめ
個人で格安SIMの速度計測をしたい場合は、ドコモスピードテストがおすすめです。
格安SIMの中にはHTTPSの速度を制限して、HTTPの速度を速くしている格安SIMもあるので、HTTPSで速度計測をしているドコモスピードテストが無難です。
※ Ookla、RBB、4GMarkはHTTPでの速度計測
反応速度と安定性 ※重要
反応速度はWebサイトのリンクをタップして、次のページの表示が始まるまでの時間です。
小さいデータをHTTPS(TCP)で大量にダウンロードして、その平均値を反応速度にしています。PINGと性質が似ています。遅延またはパケロスが多いと、反応速度が遅くなります。
安定性は、反応速度の揺らぎ(jitter)を計測しています。例えば、1回目の反応速度が0.2秒で、2回目の反応速度が0.3秒だった場合、安定性は0.1秒です。パケロスが多いと安定性が悪くなり、数値も高くなります。
Webサイトを読み込んでいて、読み込みが引っかかるのは、安定性が悪いからです。
反応速度+安定性の評価秒数
良い (200ミリ未満)
普通 (200ミリ秒〜350ミリ秒)
少し悪い (350ミリ秒〜500ミリ秒)
悪い (500ミリ秒以上)
反応速度と安定性の合計が200ミリ秒未満が理想的です。
200ミリ秒〜350ミリ秒になると少しだけ反応速度と安定性が悪いですが、格安SIMとしては許容範囲です。
500ミリ秒以上だと支障がかなり出てきます。ネットに繋げるアプリだとタイムアウトになってエラーになる可能性があります。平日の昼だと500ミリ秒以上になる格安SIMがそれなりにあります。
格安SIMの反応が悪く詰まる原因と対策、Pingとパケットロス
スピードテストアプリにもPINGとJitterを表示するものがありますが、スピテスのPINGとJitterは実態を伴っていない可能性が高いです。
YouTubeの通信速度 ※少し重要
YouTubeを再生した時の通信速度を計測しています。再生時の通信速度が速いほどYouTubeを高画質で再生できます。
YouTubeの再生時の速度の評価
高画質480p (0.8Mbps以上)
普通画質360p (0.5Mbps〜0.8Mbps)
低画質240p (0.25Mbps〜0.5Mbps)
最低画質144p/再生不可 (0.25Mbps未満)
ほとんどの時間帯で大抵の格安SIMはYouTubeの通信速度は0.8Mbps以上出るので、YouTubeは問題なく再生できます。
YouTubeを超高画質の720pで再生するとデータを大量に消費するので、このサイトでは720p以上は評価しません。
テザリングでパソコンやテレビでYouTubeをみたいとかだと、YouTubeの再生時の通信速度に注意することをおすすめします。
YouTube見放題でおすすめ格安SIM5選!データ量と画質設定
YouTube以外の動画再生について
Amazonプライムビデオ、Hulu、Netflix等の動画再生時は、基本的に「通信速度(HTTPS速度)」が適用されると思ったほうが無難です。
YouTube以外の動画は、通信速度(HTTPS速度)で1Mbps程度出れば、スマホでの視聴なら基本的に問題ありません。
ヤフーの読み込み速度
Yahooのトップページを読み込んだ時の通信速度を計測しています。読み込み速度が速いほど、サクサク表示することができます。
ヤフーの読み込み速度の評価
良い (2.2Mbps以上)
普通 (1.2Mbps〜2.2Mbps)
少し悪い (0.6Mbps〜1.2Mbps)
悪い (0.6Mbps未満)
読み込み速度が2.2Mbps以上出ていれば超快適です。これ以上速度が出ても体感差は無いです。
1.2Mbps〜2.2Mbpsくらい出ていれば、困ることはほとんどないです。もしかしたら画像の表示が少しだけ遅れるかもくらいです。
0.6Mbps〜1.2Mbpsは少し我慢して使う感じです。0.6Mbps未満だとだいぶ悪いです。文章は表示できるかもですが、画像の読み込みが遅かったり、詰まったりします。
楽天市場の読み込み速度
楽天市場のトップページを読み込んだ時の通信速度を計測しています。読み込み速度が速いほどサクサク表示できます。楽天市場のサイトは重いので、Yahooと比べるとより速い読み込み速度は必要です。
楽天市場の読み込み速度の評価
良い (2Mbps以上)
普通 (1Mbps〜2Mbps)
少し悪い (0.5Mbps〜1Mbps)
悪い (0.5Mbps未満)
2Mbps以上出ていれば楽天市場で快適に買い物ができます。1Mbps〜2Mbpsだと画像の表示が遅れるかもですが、そこまで問題にならずに買い物ができます。
0.5Mbps〜1Mbpsだと画像の表示に結構問題が出てきます。我慢して買い物をする感じになります。0.5Mbps未満はまともじゃないです。
画像の読み込み速度 ※あまり重要ではない
HTTPS(SSL経由)で500KBの画像を複数読み込んだ時の通信速度を計測しています。
読み込み速度が速いほど画像をサクッと表示してくれますが、通常のWebサイト等との関連性が微妙なので重要度は低めです。
インスタグラムの読み込み速度 ※停止中
インスタグラムの読み込み速度の計測は現在停止しています。
インスタグラムは2022年夏頃から外部からのアクセスをかなり厳しく制限しているため、自作の速度計測アプリからはうまく読み込めなくなってしまいました。
インスタグラムはQUICというプロトコルを使っているため、YouTubeと似たような速度結果になります。インスタグラムの読み込み速度は、YouTubeの通信速度を参考にしてみてください。
Twitterの読み込み速度
Twitterの読み込み速度を計測しています。読み込み速度が速いほど、画像をサクッと表示してくれます。
読み込み速度が遅いと、テキストはサクッと表示されてもアイコンや画像の表示がだいぶ遅れます。
Twitterの読み込み速度の評価
良い (1.5Mbps以上)
普通 (0.8Mbps〜1.5Mbps)
少し悪い (0.4Mbps〜0.8Mbps)
悪い (0.4Mbps未満)
Twitterは結構軽いので、Twitterの読み込み速度はそんなには必要ありません。
1.5Mbps以上なら何でもサクサク表示できて、Twitterを快適に使えます。
0.8Mbps〜1.5Mbpsだと、画像の表示が少し遅れるかもですが、結構普通に使えます。
0.4Mbps〜0.8Mbpsだと画像とアイコンの表示が遅くなり支障が出ます。0.4Mbps未満だと画像もアイコンも表示できないものとして扱ったほうがいいです。
アプリのダウンロード速度 ※そこそこ重要
Google Playでアプリをダウンロードした時の通信速度を計測しています。
格安SIMの中にはアプリのダウンロード速度を極端に制限している格安SIMがあります。
※ 平日昼はアプリのダウンロードが不可能なほど速度が遅くなる格安SIMが多いので計測しません。
アプリのダウンロード速度の評価
速い (15Mbps以上)
普通 (5Mbps〜15Mbps)
少し遅い (1Mbps〜5Mbps)
遅い (1Mbps未満)
15Mbps以上ならアプリを快適にダウンロードできます。
5Mbps〜15Mbpsだと少し待つ感じですが、使えるレベルでアプリをダウンロードできます。
1Mbps〜5Mbpsだとダウンロードするアプリによっては結構時間がかかる場合がありますが、我慢すればダウンロードできます。
1Mbps未満だと、その場でのアプリのダウンロードは諦めたほうがいいです。スマホを放置して、10分くらいたったらダウンロードできているかな?くらいの遅さになります。
速度スコアの意味と点数配分の詳細
この計測サイトでは、2019年3月から速度スコアという通信速度の総合評価指数を算出して、公開しています。
速度スコア:通信速度(HTTPS)、反応速度、Youtube、ヤフー、楽天市場、画像、Twitterの読み込み速度、アプリのダウンロード速度の結果を加重平均して、103点をフルスコアとした場合の総合的な通信品質です。
リアルタイムの速度計測では詳細なデータを見れますが、グラフとか数字がたくさんあって、正直わかりずらい・・。
と言うことで、速度計測の結果を全てひっくるめて算出したのが速度スコアです。
速度スコア:格安SIMの通信品質がひと目でわかる通信速度の総合スコア
感覚的にはかなり実態に近い数値になっているので、通信速度の結果をざっくり簡単に知りたい場合に参考にしてみてください。
速度スコアの評価
速い (90点〜103点)
普通 (75点〜90点)
少し遅い (60点〜75点)
遅い (〜60点)
速度スコアの点数配分
1計測ごとの点数配分
通信速度(HTTPS) 1日17回計測
〜0.4Mbps:マイナス5点
0.4Mbps〜0.8Mbps:0点
0.8Mbps〜1.2Mbps:1点
1.2Mbps〜1.8Mbps:3点
1.8Mbps〜3Mbps:4点
3Mbps〜5Mbps:5点
5Mbps〜10Mbps:6点
10Mbps〜30Mbps:7点
30Mbps〜60Mbps:8点
60Mbps〜:9点
反応速度と安定性の合計 1日13回計測
500ms〜:マイナス6点
250ms〜500ms:0点
200ms〜250ms:2点
150ms〜200ms:3点
〜150ms:4点
YouTubeの通信速度 1日11回計測
〜0.5Mbps:0点
0.5Mbps〜0.8Mbps:3点
0.8Mbps〜1.2Mbps:5点
1.2Mbps〜3.0Mbps:6点
3Mbps〜:7点
ヤフーの読み込み速度 1日11回計測
〜0.6Mbps 0点
0.6Mbps〜1.0Mbps:1点
1.0Mbps〜1.5Mbps:2点
1.5Mbps〜2.2Mbps:3点
2.2Mbps〜:4点
楽天市場の読み込み速度 1日2回計測
〜0.5Mbps:0点
0.5Mbps〜1.0Mbps:1点
1.0Mbps〜1.5Mbps:3点
1.5Mbps〜2.0Mbps:5点
2.0Mbps〜2.5Mbps:7点
2.5Mbps〜:9点
画像の読み込み速度 1日2回計測
〜0.5Mbps:0点
0.5Mbps〜1.0Mbps:1点
1.0Mbps〜1.5Mbps:3点
1.5Mbps〜2.5Mbps:5点
2.5Mbps〜5.0Mbps:7点
5.0Mbps〜:9点
Twitterの読み込み速度 1日13回計測
〜0.4Mbps:0点
0.4Mbps〜0.8Mbps:1点
0.8Mbps〜1.2Mbps:2点
1.2Mbps〜1.8Mbps:3点
1.8Mbps〜:4点
アプリのダウンロード速度 月2回計測(15時と20時の合計2回)
〜0.5Mbps:0点
0.5Mbps〜1.0Mbps:10点
1.0Mbps〜1.5Mbps:20点
1.5Mbps〜2.0Mbps:25点
2Mbps〜5Mbps:30点
5Mbps〜15Mbps:35点
15Mbps〜30Mbps:40点
30Mbps〜:45点
アプリのダウンロード速度は前月の結果をもとに計算しています。月2回の計測ですが、その計測結果を毎日の速度スコアに反映させています。(前月の測定を忘れた場合、前々月の測定結果を流用します)。
速度スコア = ((通信速度x17回+反応速度x13回+Youtubex11回+ヤフーx11回+楽天市場x2回+画像x2回+Twitterx13回+アプリx2回) / 合計487点) x 100
以上が速度スコアの算出方法になります。
アプリの点数配分が多い理由:アプリのダウンロード速度が極端に遅い場合は、このサイトで計測していない、他の利用用途でも速度制限に引っかかる可能性があるため
速度計測の変更点の記録
2022年10月ごろにインスタグラムの読み込み速度の計測を停止しました。
2022年5月に通信速度(HTTPS)に60Mbpsの評価を追加して、103点満点に変更
2021年5月に点数配分を見直しました。速度の速い格安SIMが増えたので、速い速度にも点数を割り振りました。
スピードテストアプリの速度結果は少し注意
通信速度の計測といえば、Speedtest.net by Ooklaなどのスピードテストアプリでの計測(通称スピテス)が一般的ですが、速度結果を鵜呑みにしないほうがいいです。
スピテスは一般的に認知されている計測方法ですが、MVNO側の調整で「スピテス」だけ速度を速くすることもできます。2016年2月下旬に大きく発覚して、スピードブーストやスピテス詐欺と言われています。
今では目に見えたスピテス詐欺をしているMVNOはほとんどないですが、多数の格安SIMは利用用途によって実際に出る通信速度を変えています。スピテスの信用度は70%くらいです。
スピードテストアプリごとに通信速度が異なる
スピードテストアプリによっては、同じ格安SIMでも速い通信速度が出るスピードテストアプリがあったり、遅い速度が出るスピードテストアプリがあったりします。
これはスピテスが何をどのように測定しているか、そして使っている速度計測用のサーバーが異なるために発生します。
曜日と時間帯で通信速度が大幅に異なる
格安SIMは使う曜日や時間帯によって、通信速度が大きく異なります。
スマホを使っている人が多いほど、格安SIMの通信速度は低下します。
土日や祝日は、人それぞれ行動がバラバラになるので、平日のようなスマホを一斉に使い出す時間帯がなくなり、時間帯による目立った速度低下は現れません。(中にはカスのような格安SIMもあるので、その場合はずーと低速ですが・・)
平日になると、朝みんな起きて会社や学校に行く前や通勤・通学中にスマホを使い出すため、回線が混雑して格安SIMの通信速度が低下します。
平日の朝は多少速度が低下するくらいです。
平日の昼になると、みんな一斉にスマホを使い出すので、極端な速度低下が発生します。平日の夜になると、みんな仕事や学校が終わって、スマホを使い始めるので、この時間帯でも速度低下が発生します。
誰も使っていないような時間帯だと通信速度が速くなります。
月の上旬が遅くなり、下旬になるにつれて速度が少し速くなる
下旬になるにつれて、データを使い切る人が増えてきます。
格安SIMはデータが追加される月の上旬が遅くなり、下旬になるにつれて、データを使い切る人が増えて混雑が少し緩和されて速度が少し速くなります。
月曜日は速く、金曜になるにつれて遅くなる
格安SIMは月曜日は速度が速く、金曜日になるにつれて遅くなる傾向があります。
こうなる原因は定かではありませんが、月曜日は仕事などで忙しいのでスマホの利用が少し減るのではないかと思います。
金曜日になるにつれて、余裕が出たり、疲れたり、土日の予定を考えたりなどでスマホの利用率が増えるのかなと思います。
時期によって通信速度が変わる
格安SIMは上記の他にも時期によって速度が変わることがあります。
例えば今まで速かった格安SIMが1ヶ月後に速度が低下して遅い格安SIMになったとか、今遅くても回線の増強で明日速くなったりもありえます。
加えて、利用用途ごとの通信速度も、MVNOの方針により制限がより強化されたり、緩和されたりする場合があります。
時期によって通信速度がほとんど変わっていないのは、UQモバイル、ワイモバイル、LINEMO、povo、ahamoくらいです。
ただ、そんなには時期によってコロコロ速度は変わりません。今の速度を重視して、もし速度が遅くなったら乗り換えるくらいでも良いかもしれません。
通信速度が速くなる、回線の増強について
格安SIMは事業者が回線を増強すると通信速度が改善して速くなります。
ただし、回線の増強はコストがかかるので、そんなにバカスカと増強できません。利益を確保しつつ、ユーザの不満をできるだけ抑えられるように、できるだけ回線の増強を行なっています。
回線の増強の仕方も、一気に大幅増強してしばらく増強しないところもあれば、小出しに複数回に分けて少しずつ増強するところ、さらには増強したと言いつつほとんど増強していない格安SIM事業者もあります。
ダウンロード速度、アップロード速度、PING、Jitterについて
通信速度の指標として、ダウンロード速度(下り速度)、アップロード速度(上がり速度)、PING、Jitterがあります。
このうち重要なのがダウンロード速度です。このサイトで掲載している通信速度は全てダウンロード速度になります。
アップロード速度はしょぼい格安SIMでも必要な速度が出るので無視です。
PING(反応速度)とJitter(安定性)は比較的重要です。ただし、スピテスでPINGとJitterを計測できるところもありますが、スピテスのPINGとJitterは事業者側で故意に操作できるので参考にしないほうがいいです。
PINGとJitterは反応速度と安定性 (リアルタイム)を参考にすることをオススメします。
基地局の混雑具合によって速度低下する
近くの携帯電話の基地局が混んでいる場合は通信速度が低下します。
郊外だと基地局が局所的に混雑することが少ないので、場所によって通信速度が遅くなる場合がほとんどありません(電波が届かないとかだと無理ですけど・・)。
都市部、特にオフィス街だと混雑する基地局が存在するため速度が低下する場合があります。人が局所的に集まる駅前、帰宅ラッシュの電車内、地下鉄、スタジアム、コンサート、コミケなどでも通信速度が低下します。
都市部でも普通の住宅街なら基本的には特に問題ありません。
郊外でもイベントなどで人がたくさん集まったりすると、通信速度が低下します。
格安SIMで速度が低下する場所は、大手キャリアでも速度が低下しています。例えば地下鉄での利用ですが、大手キャリアであっても地下鉄で電波が悪い場合があります。電波が悪いと速度も低下します。
一般的な格安SIMは大手キャリアよりも通信速度が遅いので、大手キャリアでも速度が低下するような場所だと、格安SIMはまずいくらい低下します。
格安SIMのリアルタイム測定の計測場所は東京の普通の住宅街です。高いビルもあまりないです。基地局が特に混雑しているわけでも、空いているわけでもない、普通の基地局だと思われます。屋内での計測になりますが、電波状況は普通程度に良いです。
スマホの性能+キャリアアグリゲーション+掴むLTEバンドで速度が変わる
格安SIMの通信速度を決める主因は格安SIMの事業者側(POI)ですが、通信速度が10Mbpsを超えると、スマホの性能などでも速度が変わってきます。
高性能なスマホほど通信速度が速くなる
ざっくり説明してしまうと、高性能で高価なスマホほど通信速度が速くなります。
低性能なスマホだと速度が遅くなったり、不安定になる傾向が高いです。
一般的な使い方ならあまり気にしなくても良いですが、通信速度を重視する場合は、4万円以上のスマホがおすすめです。
キャリアアグリゲーションと4×4 MIMO対応で速度が変わる
スマホがキャリアアグリゲーションや4×4 MIMOに対応していると通信速度が速くなります。
- キャリアアグリゲーション:複数の周波数帯を掴むので速度が速くなる
- 4×4 MIMO:スマホの中にアンテナが4つあるので、アンテナ2つのスマホよりも速度が速くなる
通信速度が速い格安SIMなら、キャリアアグリゲーションや4×4 MIMO対応のスマホで計測すると、より速い速度結果になります。通信速度が遅い格安SIMだとあまり変わりません。
掴むLTEバンドで速度が変わる
掴むLTEバンドで高速通信の速度が変わります。
ドコモ回線は比較的どこでも速度が速くなりますが、au回線はバンド11を掴むと遅くなり、ソフトバンク回線はバンド42を掴むと遅くなる場合があります。
5Gの速度計測について
格安SIMの速度比較サイト (リアルタイム)では、4Gで速度計測をしています。
測定場所はソフトバンクとauの5G対応エリアになっていますが、5Gで速度計測をすると速度結果がかなり不安定になります。
ソフトバンクは100Mbps以上の超速い速度になることもあれば、10Mbpsに落ち込むこともあります。
auは2021年下旬ごろから5G対応エリアに入りましたが、1年以上経った今でもまともに5Gを掴みません。ドコモは2023年4月ごろに5G対応エリアに入る予定です。
5Gの速度が安定するようになったら、順次5Gの速度計測に切り替える予定です。
格安SIMの通信速度の計測の仕方と注意点のまとめ
格安SIMの通信速度は、利用用途、曜日、時間帯、時期、場所、端末により、実際に出る通信速度が大幅に変わってきます。
加えて、人それぞれ感じ方も違ってきます。問題に感じる人もいれば、あまり気にしない人もいます。自宅にWiFiがあるかないかだけでも、格安SIMの評価がかなり左右されます。
同じ状況で客観的に計測しないと、他の格安SIMよりも良いのか悪いのかがわかりません。
リアルタイムの速度計測で格安SIMを相対的に評価できる
このサイトでは、30枚以上の格安SIMの主要な利用用途の通信速度を、同じ場所(普通の基地局)で、適切な機材で、毎日リアルタイムで格安SIMに適した速度計測を行うことで、格安SIMを相対的に評価することを可能にしています。
ただ、予算の関係で精度は90%程度と思っていただければと思います。100%近くにしたいですが、100%近くにするとメンテナンスコスト(月額料金や端末代)が2倍以上かかってしまいます。そのため90%程度を目処に維持しています。
ネットで得られる情報としては最も精度が高い情報になっているはずなので、格安SIMの通信速度を重視している場合は、格安SIMの速度ランキングの記録を参考にしてみてください。
おすすめの格安SIM
- 楽天モバイル
- 月1078円〜3278円の段階制。データ無制限でも月3278円。電話が24時間無料でかけ放題。速度は速いですが、場所によって電波が弱くなることもあります
- ワイモバイル
- ソフトバンク回線の格安SIM。速度が超速く快適に使えます。2回線目以降は3GB990円。余ったデータの繰越可、ヤフーショッピングと組み合わせるとネットの買い物が最安値でコスパが最高
- IIJmio
- ドコモ回線の格安SIM。他社からの乗り換えなら格安スマホが大幅割引。速度も比較的速く、余ったデータの繰越可、2GB850円、5GB990円など格安料金
コメントを書き込む(口コミ4件)
こんにちは。すごいサイトですね!格安simをいくつか使ってみて思ったのが公式アプリの出来が各社まちまちだということです。
例えばmineoはいい出来ですが機能がちょっと多すぎるように感じたり、IIJmioはいまいちだったり、OCNモバイルONEは最低だったりです。
私はギガの確認でしょっちゅうアプリを開くのでアプリの出来は重要です。
もしこのサイトを更にアップデートするのだとしたらアプリの使い勝手を評価項目に加えるのがいいのではないでしょうか。突然勝手なことを書いてしまって申し訳ありません。ですがこれが私の思ったことです。
ギガのチェクを良くする場合は、残高をウィジェットで確認できる格安SINMが良さそうですね。IIJmioはできないですが、mineoとOCNはできます。
ただ、アプリの出来は速度とは関係ないので、速度の評価には加味されないです。。
お疲れさまです。
最近、OCNモバイルONEの新コースでGoogleスピードテストをすると「レイテンシ 1ミリ秒」という、あり得ない結果が出ます。Google側の不具合か?
スマホ回線で1ミリ秒はちょっと現実的ではないので、何かのバグだと思います。もしくはWiFiに繋がってたりとか??
ちなみにBIGLBOEモバイルのタイプAで試してみたらレイテンシは30ミリ秒でした(平日12時45分)。WiFiだと3ミリ秒。